WORKS

ReBreath Hongo 2018

築50年のRC集合住宅を耐震+断熱改修・内外装の更新により再生

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ReBreath Hongo 2018

築50年のRC集合住宅を耐震+断熱改修・内外装の更新により再生

本郷にある旧耐震で高さが既存不適格の共同住宅の、耐震改修を含めた再生計画である。既存建物は、南側に豊かな空地を有し、建てられた後に容積制限が厳しくなったため、新築では獲得することのできない容積を持っていた。 そのため、集合住宅として更新するにあたり、建て替え、再生の両案を提案し、様々な観点から再生案が採択された。容積率の不適格のために確認申請が発生しないため、遵法性の担保のために東京都に申請し、耐震マークの取得をした。

築50 年にもなるRC の既存躯体は、建物の傾きや躯体不陸が大きく、新築のように各々のエレメントを単純に納めることは難しかったため、それぞれの部材を既存躯体からクリアランスを取る形で既存と新規の素材を等価に扱いながら再統合を試みた。

 

既存躯体の不陸を調停するディテール

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新築すると既存不適格により容積が減るため、建替えが選べない建物を耐震+断熱改修、内外装の更新をした。既存躯体の施工誤差を吸収するため、手すり、軒、デッキバルコニー、専用庭等の不動産価値を生み出す素材に対してディテールを分解し、仕上げと下地の密度のコントロールにより全体を再統合させることを試みている。

耐震補強の合理化と開放的なバルコニーを創出

補強量が多く、南側の窓や北側水廻りの既存の開口寸法より開口面積が制限されてしまう中、バルコニーの手摺壁を解体することで補強量を減らし、南側の開口面積を既存開口面積より広く確保した。

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本計画では、内部のスペックとしては、新築同様の計画および内装が求めれた。
内部は、白を基調としたありふれた意匠としたが、外観の意匠は、不動産的には周辺の建物との差別化が求められていた。特異性のある外観デザインは、塗装色の変更や装飾を施すことで容易に変更することが可能である。
しかし、本計画では、「専用庭」、「バルコニーデッキ」、「軒天」、「プライバシーの高い1 階住戸」、「開放的な住戸」等の一般的な不動産言語による不動産価値を高めながら周辺とは差別的な外観の意匠化を試みた。そうすることで単に周辺との差別化を図るだけの外観ではなく、アノニマスでありながらどこか周辺の建物とは異なる冗長的な外観の獲得を試みた。

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集合住宅として再生するにあたって、既存不適格建築物として容積のメリットを残しながら、性能は現代の要求に適合させるため、耐震改修と断熱改修を提案して行っている。

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CREDIT
撮影:Kenta Hasegawa TOP,01-07

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