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是正・減算による施工誤差と都市に与えるゆらぎ神南一丁目ビル再生計画

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PROBLEM

<増改築履歴の是正と耐震性能の不足>

築40 年の飲食ビルの再生計画である。  既存建物は渋谷駅から徒歩10 分、周辺には渋谷区役所、国立代々木競技場、NHK ホールが建つ。再開発が進む渋谷らしい活気をもちつつ、明治神宮や代々木公園へと繋がるエリアに位置し、渋谷の顔に当たる場所である。  既存建物は飲食店舗として新築された開口のほとんどない建物で、以後、外観へのルーバーの設置など幾度も改修が繰り返されていた。建物のコンディションとしては、旧耐震の建物であり現行の耐震基準を満たしていないことや、既存躯体へ張り付けられた湿式石貼りの剥落、確認申請の履歴のない違反増築等が見受けられ、継続して使用するのは難しい状態であった。渋谷では様々な需要用途が移り変わっている。建物を取得したクライアントからは、地階の飲食店舗を残したまま、居ながらによる耐震改修だけでなく、事務所ビルへの用途変更を行い、遵法性・建物性能を担保した上で活用できるようにすることが求められた。既存建物の増改築履歴の是正と新設開口時の外壁の斫りによって生み出される施工誤差から生まれるゆらぎを使って建物を再生することを試みた。

  • 規模:地上4階地下1階
  • 築年数:1976年
  • 構造形式:RC造
  • 敷地面積:412.13㎡
  • 延床面積:1648㎡
  • 建築面積:319.74㎡
  • 用途:事務所・ライブハウス

SOLUTION

<是正と斫りから生まれる施工誤差を許容する再生ファサード>

計画では、無開口躯体への開口の新設と、後付けルーバーや湿式の石張りの除却という二つの予件が求められた。  まず、既存の無開口の飲食店から採光や用途上開口が必要な事務所用途への用途変更に際し、生まれる開口の新設により普遍的なオフィスビルとならないかに着目した。開口を新設する際に生まれる既存開口から生まれるバランス、道路との関係性、空地の抜けを総合して開口を設けた。  一般的に躯体に新設開口を開ける際、カッターと躯体の斫りによって開口を開けるが、その解体の作法として「はつりのディテール」をファサードデザインに反映させるため、外壁躯体ラインの内側にサッシュを取り付けるインセットサッシュのディテールを考案した。さらに断熱材補強を施した上で仕上げており、執務空間として適切な温熱環境になるよう設えた。  さらに、改修が重ねられていた外壁については、ルーバーや湿式石張りの除却により、あらわになった躯体にはモルタルが一部残ったりと非常に精度の悪い下地として外壁部分が残った。  

RESULT

<是正・減算による施工誤差と都市に与えるゆらぎ>

荒く残った躯体は、通常下地材として使われる左官処理によって仕上げている。通常はクラックの入らない下地材として使われる強固な素材を、あえて仕上げとして使用することで既存のように外壁材が剥落することもなく、コンクリート躯体や湿式石貼りの残ったモルタルの表情を拾ったもともとこの場所にあったような不思議な外観が実現さ れた。  仕上を撤去したことによる躯体表面の凹凸や、1階の耐震補強躯体と既存躯体を等価に扱うための手斫り、躯体開口をはつった小口といった施工によって生まれる偶発的な 要素を意匠として残した。  既存の躯体の履歴や与件(用途変更、耐震、断熱)の変遷をそのまま外壁に発露させた再生建築ならではの空間としている。

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